2021年4月3日

≪今週のレッスン Vol.174 4/3≫ ロボット

「ガヴォット」という曲があります。

「ガヴォット」は、舞曲のスタイルの1つで、同じタイトルの曲がたくさんあります。
私が、初めて知った「ガヴォット」という作品は、ゴセックが作った曲でした。

フランスで生まれた舞曲。
4分の4拍子、または2分の2拍子、アウフタクトで始まっています。
ただ、アウフタクトというよりも、小節の半ばから始まっていると言った方が正しいかもしれません。
ルイ13世が作曲したと伝えられるフランス民謡の「アマリリス」も、実はガヴォットで、4分の4拍子の3拍目から始まっています。

さて、多くの曲では、特に指示がなければ、レガートで弾くことが多いです。
ですが、やはり曲によっては、レガートではないこともあります。
指示がある場合は、それを守らなければなりませんが、指示がないところは、自分でどうするか考えなければならないところ。
細かく指示があると難しそうに見えますが、本当は、何も指示がないところの方が難しいのです。

タイトルが「ガヴォット」だったり、タイトルが違ってもガヴォットであれば、スラーがないところはノンレガートで弾きます。
音楽を勉強してきた人なら、そうすると思います。
知識と経験です。

先週、テキストの中の「ガヴォット」という曲を練習してきた生徒さん。
とても正確に弾いています。
ですが、残念ながら「ガヴォット」にはなっていません。

ガヴォットというのは、踊りの曲でね…
スラーの指示がないところは、音を離して弾いてみよう!

美しいレガートは難しいですが、ノンレガートも案外難しいものです。
楽譜を睨み付けながら、スラー以外のところを頑張ってノンレガートで弾く生徒さん。

身体も音もカチカチ!

一通り弾き終わって、生徒さんが言ったことが面白くて。
「これでは、ガヴォットじゃなくて、ロボットですね…」

生徒さん、上手に弾いていますが、あまり好きな曲ではないようです。
そりゃそうだと思います。

私が小学生の頃に、ヨーロッパの宮廷、舞踊、ガヴォット…
理解できませんでした。

今回の「ガヴォット」は、8小節の短い曲で、音も少なく、技術的にも難しいところはありません。
一通り弾くなら、その生徒さんには、簡単なくらい。
それでも、どれだけ正確に弾いたとしても、それが「ガヴォット」に聞こえるかどうか…

その分かれ目は、ピアノの演奏技術よりも、人生の中で得る知識や経験、想像力なのだと思います。
だから、真面目に練習するだけでなく、音楽のことも、それ以外のことも、たくさん経験しなければなりません。

4月。
子どもたちは、ちょうど春休み。

できればレッスンには休まず来て欲しいですが、どこかへお出かけできるなら出かけて、たくさんいろんなことを吸収して感じてきてください。
その日、その時にしかできないこと、感じられないことがあります。
タイミングを逃してはいけません。

レッスンは、少々ずれても構いませんからね…


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