2021年5月1日

≪今週のレッスン Vol.178 5/1≫ ご自宅のピアノは?

ピアノを習い始めたら、自宅で練習する環境を整えていただく必要があります。
とにかく必要なのは、ピアノ。
これがなければ練習ができません。
既にお家にある場合は悩む必要がないかもしれませんが、買うとなると大きな買い物です。

何を買ったら良いかと相談されます。
もちろん、グランドピアノです!


なのですが、大きくて場所を取るし、値段も高いし…

そうなると、アップライトピアノです。


グランドピアノの誕生後、もっと手軽にお家に置いて弾けるように、コンパクトなアップライトピアノが作られました。
ですから、アップライトピアノには、構造上無理があるところがあります。
連打が鈍かったり、響きが浅かったり、音が飛ぶ方向も変わってきます。

アップライトピアノは、私の母親の世代だと、一家に一台ずつほどあったりするのでしょうか…
(と、母親に言ったら、そんなワケないやろ!と言われました…)
この辺りは田舎で一軒家が多いので、置かれているお家もたくさんあると思います。

それでも、音が出る物。
一軒家で置く場所があっても、ご近所のことを考えるとヘッドホンを使うしかないというお家もあるでしょう。
こうなると、アップライトピアノにサイレント機能を付けるか、電子ピアノになります。

電子ピアノになると、もう全く違う楽器です。
あらかじめ録音された電子音を再生するだけなので、音に無限に表情を付けることは不可能ですし、音の出方も鍵盤の動き方も違うので、指や身体の使い方もピアノとは全く異なります。


鍵盤が付いていて音が出る…
アコースティックピアノと電子ピアノは似ているようですが、別の楽器です。
電子ピアノで練習されている方もたくさんいらっしゃいますし、実際、ピアノがない場所での演奏会で、電子ピアノを持ち込んで演奏したことは何度もあります。
ですが、本当はアコースティックピアノの代わりになるような物ではありません。

どこで見たのかわすれてしまいましたが「バレエ教室に通う娘さんに、似ているからといってスクール水着を着せないでしょう?アコースティックピアノと電子ピアノはそれくらい違うのです」と、書いてあるのを読んで思わず笑ってしまいましたが、本当にその通りです。

ピアノの曲は、グランドピアノのために作られたもの。
アップライトピアノや電子ピアノで弾くために作られた曲はありません。
だから、ピアノの練習はグランドピアノでするべきなのです。

ただ、やっぱり、そんなに簡単にグランドピアノを置けるわけありませんよね。
グランドピアノを買ったら、レッスンに通うお金がなくなってしまった…
アコースティックピアノを置いたけれど、音が出せる時間に家にいないので、結局練習が出来ない…
それでは、本末転倒。

見方を変えれば、グランドピアノの代わりに、アップライトピアノ、電子ピアノがあるというのが、ピアノの強みでもあります。

何も知らずに、音を消せるし値段が安かったから電子ピアノにした…と、ならないように。
楽器のことを理解した上で、十分練習できる環境を整えていただきたいと思います。

【まごいち音楽教室】
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