指を伸ばして、指の全体でぺったりと鍵盤を押さえながら弾く生徒さん。
ピアノを弾いている姿を見る機会が少ない生徒さんに多いです。
一番良いのは、ピアニストの演奏を見て真似をすること。
ですから、親御さんがピアノを弾けたりすると、美しくピアノを弾く手が出来上がっていたりします。
大人の生徒さんなら、身体の仕組みを伝えて、だから指の関節を曲げて…と説明をするのですが、子どもに関節云々では伝わりません。
指は曲げて弾くのだと伝えて弾いて見せても、なかなかできない生徒さん。
そんな時は…
「ちょっと手貸してー!」
手を開いてもらって、指の第一関節のところに、ペタペタ。
今な、ここにケチャップ塗ったから。
鍵盤にケチャップが付かないように弾いてね。
鍵盤を真っ赤にされたら、泣いてまうでー。
そんなことを言いながら、もう一度弾いてもらうと、見事にきちんと指先で鍵盤を押してくれます。
子どもの想像力と素直な心に感心。
力を抜いた状態で腕を体の横にぶらんと真っ直ぐに下ろすと、指の関節は必ず少しずつ曲がっています。
この脱力した状態が自然な形なので、一番楽です。
そして、一番効率良くピアノの鍵盤に力を伝えることができます。
これを大人の方には説明をすると理解してもらえます。
それでも、実際に身体がそういかないこともあるのですが…
想像力だけで出来てしまうのは、子どもの特権ですね。