感覚は人それぞれ。
自分にとっては明らかに違うことなのに、他の人にはほんの少しの違いであったり、違いを理解してもらえなかったりすることは、たくさんあります。
レッスンをしていてもよくあることで、違いを説明したり弾いてみたりしても、なかなか生徒さんにわかってもらえないことがあります。
例えば、レガートで弾いた音階とスタッカートで弾いた音階を聴いてもらい、「何が違う?」と質問をすると、「わからん」「どっちも同じやけど?」という答えが返ってきてビックリ仰天!
さすがに大抵の場合は、レガートとスタッカートの違いを答えてくれるのですが、こういうこともあるのです。
音の長さ(切れ方)に注意して聴いてみよう!とヒントを伝えて、もう一度聴いてもらいます。
すると、「1回目は音が伸びてて、2回目は音が切れてる…」と、わかってもらえることもあるのですが、たまに「2回目の方がちょっと強かった」なんて、またまたハテナいっぱいの答えが返ってきたり…
音もやけど、ヒント聴いてた?なんて突っ込みたくなってしまいます。
いや、もしかして、音の切れ方以上に私の弾き方の強さが違ってしまっていた?そんなことないはずなんだけど…、と、私が自信を失ったり…
当たり前のように音の長さの違いに気付ける人、どこに着目すれば良いかがわかれば気付ける人、ヒントを貰ってもちんぷんかんぷんな人…
明らかなレガートとスタッカートの違いがわからないということはなかなかありませんが、重めのスタッカートと軽いスタッカートの違いや、スラーの切れ目の違い、短い休符のあるなしなどは、理解してもらえないことがあります。
楽譜通りに正しく直そうと思っても、違いがわからなければどうしようもありません。
まずは、その違いを頭で理解して、さらに聴き分けられるか。
そしてその2つとも(間違えている方と正しい方の両方)を弾けるか。
その上で、自分が弾いた音を聴いて、正しい方をチョイスできるか…
残念ながら、1つ目のステップでつまずいてしまうこともあります。
違いがわかるかどうかは、普段どれだけ音を聞いているかという経験値の大きさが関係すると思いますが、違いに敏感かどうかという性格のような要素も大きいと思います。
小さな生徒さんはわからなくても、年齢が上がればそのうち大抵の人は違いを理解することができるようになります。
聴くことだけを訓練することもできますが、わからない時は一旦保留にして、レッスンをしながら、またの機会を待ってもいいかなぁと気長にやっています。