日頃の練習でお家の方々がどれだけ関わってくださるか、それはレッスンの進み具合にとても影響します。
お家での出来事には、先生は関われません。
ですから、お家での練習に関してお家の方に頼っている部分は、正直大きいと思います。
練習する時にお家の方にずっと付き添ってもらえる生徒さんもいれば、ほとんど自分だけで練習している生徒さんもいます。
どちらが良いかというと、それは複雑な問題です。
練習に付き添ってくださるお家の生徒さんは、どんどんテキストが進んでいきます。
お家でいろんなことを教えて貰えるのは、生徒さんにとっては、とても得なこと。
教える方からしても、お家の方が音楽のことをわかってくださっているのはありがたいことです。
ただ、関わり方には注意していただけると良いかもしれません。
例えば、ここの音は何の音?ここのリズムはどんなリズム?このようなことをお母さんに聞けばすぐに解決するとします。
自分で考えるよりも人に聞いたほうが楽ですから、生徒さんにとってはありがたいことでしょう。
ただ、それが日常になってしまうと、レッスンで先生の言うことをしっかりと聞かなくなってしまう生徒さんがいます。
レッスンで、どれだけ先生が大切なことを伝えていても、後でお家の人に聞けばいいと思っているからです。
ですから、生徒さんが自分で考えてするべきことを、何でも大きく手伝ってしまうのは、望ましいことではないかもしれません。
お家での練習時に、お手伝いをお願いしたいこともあります。
それは、レッスンで直しておいでと言われたところが直っていなかったのを聞かれた時です。
軽く声をかけていただくと良いと思います。
「こう直そうね」ではなく、「そこ違っているんじゃない?」「それで合ってる?」で良いです。
レッスンでは、どう間違えているのか、どうすれば正しいのか、それをどう直すのかを伝えています。
きちんとレッスンで話を聞いている生徒さんなら、もう一度考えてもらえば自分の力で直せます。
間違えたまま再びレッスンに来てしまうのは、直さなくてはいけないことを忘れている、それか、直っていないことに気が付いていないかのどちらかです。
間違いを直せる技術があるのに、直さないままレッスンに来ることは、とても勿体ないことです。
そして、それ以上に、一週間間違えたものを引き続けてしまうことは、大問題です。
1週間に1回のレッスン、そこで正しいものを弾いた回数よりも、お家で間違えて弾いた回数の方が圧倒的に多くなってしまえば、間違えたものが身に付くのは当然です。
直したりきちんと弾くのに時間がかかるものもあります。
コツコツ練習することが必要な場合もあります。
ですが、音を直すだけ、リズムを直すだけであれば、レッスンの次の日には直してしまって、後は正しいものを引き続けて欲しいです。
間違えているものを身につけてしまわないように。
お家の練習時に、少しだけ耳を傾けていただければ有り難いです。