2022年1月13日

楽譜を解読したい

大阪市立美術館で行われている『メトロポリタン美術館展』を観に行ってきました。


15世紀の初期ルネサンスから19世紀のポスト印象派までの西洋絵画65点が並べられていて、とても豪華な展覧会でした。


カラヴァッジョの『音楽家たち』(1597年)。
今回の美術展のチラシやポスターなどで使われている今回の展覧会の目玉の作品です。


本物を目の前にすると、何と美しい絵!
リュートを弾いている少年のお顔の綺麗なこと!
1595年頃の作品『リュート弾き』もそうですが、20代のカラヴァッジョの作品には美少年が頻繁に登場します。

4人のうち右から2人目の角笛を持った人物はカラヴァッジョ本人だそうです。
24歳にしては幼く見えます。
昔の自分を描いたのかもしれません。

背中を向けている少年が読んでいる楽譜や、手前のヴァイオリンの下に置いてある楽譜は、何の曲だろう…
読めるかなーなんて思ってしまいます。


調べてみると、カラヴァッジョは多くの作品に楽譜を描いていて、解読されて楽曲名が判明しているものもあるそうです。
音楽学研究家のドメニコ・アントニオ・ダレッサンドロの研究によると、『音楽家たち』で少年が持っている楽譜には、ギリシア神話のイカロスを主題にしたソネットが記されていて、人文学者ヤコポ・サンナツァーロが作詞したものだそうです。

ちなみに、パトロンであったデル・モンテ枢機卿は、書籍や楽器の収集家で、館では音楽や演劇の集いが開かれていたそうです。
その様子を元に描いたのでしょうか…

バロック絵画には楽器が描かれている作品がたくさんあります。
今回の美術展では、シモン・ヴーエの『ギターを弾く女性』(1618年頃)、ハブリエル・メツー『音楽の集い』(1659年)、アントワーヌ・ヴァトー『メズタン』(1718-20年頃)に、弦楽器が描かれていました。
「メズタン」は、イタリア喜劇のキャラクターのひとつで、報われない恋をする男性です。
ヴァトーの作品では、ギターでセレナーデを奏でています。


今回の美術館では、ルネサンスやバロック絵画のあと、モネやルノワール、セザンヌなどの印象派の絵画が展示されていました。


意外なことに、ルネサンス・バロック絵画の方が楽しめました。

ずっと、宗教画なんて見てもわからん…なんて思っていました。
キリスト教にも他の宗教にもこれといって興味はなく、特に何かへの信仰心もありません。
それでも、たくさん見ていると、楽しく見られるようになってくるのが不思議なところ。
宗教画と言っても描かれているのは、人間の生活や感情。
何となく共感できるところがあったり、心打たれるところがあったり…

久しぶりのお出かけ。
出かけるタイミングが難しいですが、見たい美術展は全部行けているし、何だかんだ幸せだなーと思っています。


【まごいち音楽教室】
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