ずっとずっと行きたいと思っていた『ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展』を、兵庫県立美術館で観てきました。
別にそこまで興味ある分野でもないのに、何故か行きたい行きたい…と思っていたのです。
今回の目玉は、ミイラのCTスキャンの研究成果です。
研究目的でミイラの布をほどいてしまう博物館もあったようですが、ライデン国立古代博物館の初代館長J.C. ルーヴェンスは技術の進歩を予見し、ミイラを傷つけることなく保存することを決めました。
大昔の物がそのまま目の前にありながら、最新の技術と映像で見る、何だか不思議な感覚でした。
CTスキャンで骨が見えるのはもちろんですが、性別や大まかな寿命、健康状態まで導き出すことができるようです。
ミイラの体の中に土製の小像が埋め込まれている物も見つかり、それは今までには例のないことで、今後また研究が進みそうです。
疎い分野でしたが、見始めると楽しいもの。
ヒエログリフの解説を見て、本物を見て、キョロキョロしながら何だか読めた気分になり…
自分がもしミイラになるならどの棺に入りたいかとか考えたり…
(時代によってデザインに違いがあるのです。)
ミイラになれば何千年後に世界中の博物館を旅することができるのか…
でも人に見られるのはあまり得意じゃないな…
(ついでに、ずっと同じ姿勢で寝たきりで体が痛そう…)
なんて思いながら、いつの間にか気分は古代エジプト人でした。
供養像や装飾品など、わかりやすく「古代エジプトの物だ!」という物もありましたが、正直私には一体何かわからないような細かい物もたくさんありました。
シストラム(sistrum)、これは、京都市京セラ美術館の『国立ベルリン・エジプト博物館所蔵 古代エジプト展』の時に調べたので知っています。
柄が付いた枠に横棒を通し、振って音を出す、ガラガラに似た楽器です。
破片なので完成形がわかりませんし、解説がほとんどありませんでした。
シストラムという言葉を知らなかったら、これが音を出す為の物だとは考えもしないと思います。
いつかの経験が自分の中に知識としてきちんと溜まっていって必要な時に出てきてくれるのは、とても嬉しいです。
「シストラム」の知識が他の何に役に立つのかわからないですが…
やっぱりもれなく楽器も1つありました。
細い細いフルート!
指穴は確認できましたが、歌口がわからない…
一体どんな音がしたのでしょうか。
ストローくらいの細さです。
きっと高くて細い音なのでしょう。
ミイラをCTスキャンすることで、たくさんの情報が得ることができて、どんどん研究が進んでいます。
このフルートも同じようにCTスキャンしたり、3Dプリンターでレプリカを作ったりして、音の再現をしてもらえると嬉しいなーと思います。
ただ、私はフルートに興味がありますが、研究者さんたちにとっては、楽器よりも「人間」の方が優先事項ですよね…
お土産に何か欲しかったけど、結局迷った末に何も買わず。
ヒエログリフのロルバーンやトートバックが可愛くて欲しかったのですが、明確な用途がないので買っても勿体無くて使えないだろうし…
ヒエログリフの柄のように細かい物が整列している感じが好きなのだと思います。