バレンタインデー。
毎年、京都や大阪、名古屋の百貨店の催事へ行き、チョコレートを買うのが楽しみでした。
ですが、昨年も今年もバレンタインデーの催事に行こうという気になれず…
昨年はお気に入りのチョコレートをインターネットで取り寄せました。
インターネットショッピングなら、別にバレンタインの時期でなくても欲しい時に買うことができます。
今年は、特別バレンタインの時期に取り寄せようという気になりませんでした。
そんなこんなでチョコレートを買う気はさらさらなかったのですが、やっぱり当日になって何も用意していないことに焦る私。
2月14日、午後6時。
仕方がない、美味しいケーキでも買おう!と思いました。
近くで買える一番美味しいケーキ…
米原の湖岸にある、エクシブ琵琶湖のケーキが好きです。
チョコレートのケーキが残っていればラッキーです。
行く前に、確認と取り置きの電話をしました。
電話はフロント宛てで、用件を話すとラウンジの担当の方に電話を繋いでくださるとのこと。
電話が保留になりました。
スマホから聞こえるピアノの音。
流石にホテルなだけあって、無機質な機械音ではありません。
ただ、何故こんなに物々しい音なのでしょう。
曲の途中のようです。
この曲は何?
数秒聞くと、ベートーベンの『ピアノソナタ 第18番』の第一楽章の冒頭でした。
物々しいのは曲自体で、演奏はベートーヴェンにしては柔らかめでテンションも落ち着き気味な気がしました。
保留音用、或いはBGM用などに用意された演奏なのでしょうか。
まだ電話を取らないで欲しい、もう少し聞いていたい、と思ってしまいます。
この曲を初めて弾いたのは高校生の時。
レッスンで先生がおっしゃることに、へー!と思いながら、半分はやっぱり理解が追いつかなくて消化できず、手探りのままハテナがいっぱいある状態で仕上げた曲。
今もう一度練習しても、その時の弾きにくさが記憶と手に残ってしまっていて、思い通りには弾けない気がします。
保留の音楽は、思ったよりも早く途切れてしまいました…
「ショコラピスターシュ」というチョコレートのケーキが残り1つでした。
そしてもう一つ、フルーツタルトの取り置きをお願いしました。
苺のショートケーキが売り切れてしまっていたのが残念。
ホテルのラウンジでは、ピアノの生演奏が行われていました。
フカフカのソファに座って、美味しい紅茶も淹れてもらって、ピアノの演奏を聞きながらゆったりとケーキを食べたいなーなんて後ろ髪を引かれながら、持って帰ってきました。
箱を開けると、キラキラとしたケーキ。
もちろん美味しかったです。
ケーキを食べながら、頭の中のBGMはベートーヴェンのソナタ18番。
そして、当分の間、電話の保留音にベートーベンのソナタを期待してしまいそうです…