2022年3月19日

≪今週のレッスン Vol.223 3/19≫ 拍を食べる

4歳の生徒さん。
習い始めてまだ数か月なのですが、とても良く弾く子なので、思っていたよりも早くに八分音符が出てきてしまいました。
四分音符と二分音符の違いは理解していて、きちんと弾き分けられる生徒さんですので、きっと八分音符も大丈夫です。

一応レッスンなので、音符の長さの説明をします。
大人なら言葉で説明すれば理解してもらえるのですが、子どもさんにはそうはいきません。
先生が何を言っているのかわからないかもしれないけれど、とりあえず聞いておいてね。
ちゃんと聞いておいてくれれば、大きくなった時に、先生はこういうことを言ってたのかと分かる日が来るから…

大事なのはリズムを覚えて帰ってもらうこと。
メモを出来れば良いのですが、リズムをメモする方法は音符を使うことなので、とにかく頭で覚えてもらうしかありません。

たーたた たーたた…
お手本を何度も弾いて真似をしてもらいます。
歌ったり手を叩いたり、楽譜を見たり…

一週間もあれば、子どものアレンジは自由自在。

心配した一週間後。
宿題の四分音符と八分音符が混ざった曲を弾いてくれました。


確かに八分音符は細かい音符となっているのですが、とても自由です。
小さい子だからまぁいいか…
妥協したくなるのですが、変なリズムを覚えてしまったら、この後が大変です。

八分音符は厳密に四分音符の半分の長さでなくてはなりません。
そのためには、まず、四分音符の長さを全て同じになるように揃えなければなりません。

弾きたい速さで手を叩きます。
トントントントン…

トントンをよく聞いて…

そのトントンを食べます!

ぱくっ!

すると、お腹の中でトントンが聞こえます。
そのトントンに乗りながら演奏するのです。

小さな生徒さんは、きちんとお腹の中に拍が入るものですね。
これで拍を取れるようになります。

私は子どもの頃に、音符の長さやリズムに関して説明を受けた記憶がありません。
いつの間にか理解していた音符の種類と長さ。
ピアノを弾いていて、リズムで困ったことはありません。
自分がいつの間にか習得していたことに関しては、レッスンで伝えることがとても難しいです。

音の長さは目に見えないので感覚的なものかもしれませんが、音符を使えば整然と見えるものになります。
長さを書き表すことができるなんて、五線と音符を発明して楽譜を確立した西洋音楽は凄いですよね。

この4歳の生徒さんが、今、レッスンで八分音符の説明を受けたことは、大人になったら覚えていないでしょう。
「いつの間にか習得していたからリズムに困ったことはない」と言ってもらえるように、着実に正しいものを覚えていって欲しいです。

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