2022年6月25日

≪今週のレッスン Vol.237 6/25≫ 体感テンポ

曲の速度というのは、その速さに聞こえれば良いのです。
ゆっくり弾いていても速く聞こえれて適切な速さであればそれで良いのです。
メトロノームの数字が絶対ではありません。

小学生に「学校の授業で一番楽しいのは何?」と聞くと「図工!」だそうで、もっと作っていたいのに終わってしまうそうです。
逆に、つまらないのは算数だそうです。
どちらも同じ45分の授業なのに、感じる時間の長さは全然違いますよね。

音楽も同じで、魅力的な演奏の曲は、あっという間に終わってしまいます。
ゆったりな曲をゆったり浸りながら聞いているはずなのに、短く感じるのは不思議です。
逆に、飽きてしまうような演奏であれば、いつまで弾くの?長いなあ…と思うこともあるでしょう。

大人の生徒さん、ショパンのマズルカ。


楽譜には「Lento ma non troppo」。
「Lento」は「遅く」、「ma」は「しかし(but)」、「troppo」は「非常に、とても」ですが、「non」が付いていますから、「non troppo」で「それほどでもなく」です。
つまり、遅いけれども甚だしくなくということです。

そして、問題はその後に書かれている、四分音符=144。

いくら「それほどでもなく」と言っても、四分音符=144は速すぎな気がします。
曲想的にはゆったりした感じの曲だと思うのですが、一体何が正解なのでしょう。

「Lento ma non troppo」で弾いて四分音符=144に聞こえるように弾くのか、または逆に、四分音符=144で弾いて「Lento ma non troppo」に聞こえるように弾くのか…
楽譜の譜面や曲の流れから十分に歌いながら弾いてしまいそうですが、もしかしたらサラッと弾いて欲しい曲なのかもしれません。
まずは、何故こんなことが書かれているかを考えなければなりません。
そして、曲のことやその背景を理解しなければならないでしょう。

実際どんなテンポで弾くのか。
私には私の理想の速さがありますし、生徒さんには生徒さんの弾き方で良い速さがあるはずです。
どう弾くのが良いか、相談しながら素敵な曲に仕上げられたら良いですね!

【まごいち音楽教室】
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