お昼にお客様をお招きしてお食事。
その後、諸々の用事をして、くたくたの日曜日の夕方。
今日は練習せんでいいんか?とお尻を叩いてもらって、ピアノの部屋へ入りました。
ピアノの椅子に座ってもまだ調子が出ません。
それでも弾き始めてしまえば、それなりに集中して弾けるくらいの体力は残っていました。
数日前から、高いソの鍵盤の音が変だと思っていました。
細くてキンキンする音が出ます。
湿度の関係で調子が悪くなることがよくあるので、今回もそのせいなのかもしれないと思いました。
湿度が原因の時は、たいてい音に張りがなくなってこもるような感じの音になります。
今回はバリバリとした金属音がして、初めて聞く音色で、いつもと様子が違うなと思っていました。
少し時間が経ったら元に戻るかもしれないし、元に戻らないかもしれません。
近々調律師さんに見ていただかないとと思っていました。
ソの音は、練習しているシューマンの曲で冒頭から頻繁に使う音だったので、嫌だなーと思いながら気にしないことにして練習を続けました。
そうして弾いていると、ボンっ!と鈍い音が。
何?と思いましたが、もしかしてと思ってソの鍵盤を押すと、聞いたことがない音。
もはやソの音はほぼ存在しません。
ピアノの中を覗いてソの弦を探すと、やっぱりです。
左側の弦が切れていました。
どこへ行ったの?と探すと、ピヨン!と自由な方を向く針金が。
弦が切れるというと、音楽史でベートーヴェンが切りまくって、方々に絡まった挿し絵を思い浮かべてしまいます。
ですから、意外と落ち着いた切れ方で、呆気なく切れていました。
高音で弦が短かったのもあると思います。
私が弾いている時に切れて良かった!
たくさんたくさん練習して、一番ダメージを与えたのは私なはずです。
最後の美味しいところ(?)だけを他の人に持っていかれるわけにはいきません。
ただ、弦が切れるというのは、やっぱりそれなりにショックで、変な弾き方をしていたのかなーと反省。
ここのところ、曲の冒頭の音の出し方に困っていて、いろんな弾き方を試していました。
いつもと違う弾き方をしていたから切れたのでしょうか。
ヤマハのC3のピアノ、購入してから24年です。
調律師さんに電話をして、お約束を取り付けました。
弦が切れたとの話を度々聞きますが、全くその兆候もなく、うちのピアノの弦は切れないものなのかと思っていました。
弦を切る人はしょっちゅう切るそうです。
やっぱり弾き方も関係あるのでしょうか。
調律師さんとお話していると、だいたい切れるのは高音域が多いそうです。
高音域が切れるのは周波数の具合。
440Hzなら、1秒間に440回の振動をしているということになり、1オクターブ上の880Hzは倍の振動。
1回叩くだけで倍の負荷です。
針金をグネグネしていると切れてしまいますが、ピアノの弦の振動も緩やかなグネグネです。
何度もグネグネしていれば、疲労して切れやすくなります。
最高音のドは、周波数は大きいですが、あまり叩かれないので切れないそうです。
1本の弦は約90kgで引っ張っられています。
工場だと機械でどんどん張れるけど、手作業で張るのは大変だそうです。
張りたてのまだ調整されていない弦からは、1オクターブ以上も下の音が鳴るので、変な感じです。
調律をしても、無理やり伸ばした弦が元に戻ろうとするので、すぐに狂うそうです。
とても良くしてくださる調律師さんなので、ついでにペダルのところの雑音も相談してみました。
キュッキュッという音が出ることがあります。
ペダル突っ支い棒の上の皮が硬くなってしまっていることが原因でした。
そして、突っ支い棒の下の所はゴムが摩耗してツルツルになってしまっていて、そこからも雑音が出ているということでした。
ツルツル同士だと雑音になるそうです。
だから目に見えないほどの凸凹があった方が良いとのこと。
粉と水分を混ぜたものを付けると良いそうです。
テフロンパウダーをつけてくださっていました。
テフロンスプレーというのもあって、航空機とかにも使用される潤滑剤だそうです。
さて、張っていただいた弦はピカピカ!
当たり前ですが、音程はすぐに狂い、変な音が出ています。
仕方ないことです。
時間の経過と、たくさん弾くことで、馴染ませていくしかありません。
切れた弦を、記念にいただきました。
どこにしまっておこうかな?