2022年11月5日

≪今週のレッスン Vol.256 11/5≫ スケールを正しい指で弾く

ピアノを弾く人ならば、絶対に弾けなければならないハ長調のスケール。

止まらず弾いていますが、指づかいが正しくない生徒さん。
上手く最後に帳尻を合わせて終わらせていますが、途中は好きなところで指を超えたりくぐったり。
最初にスケールを練習し始めた時はきちんと弾いていたのに…
いつの間にか自己流になっています。

もう小学校の高学年。
もっと年下の子でさえ、正確に弾いているハ長調のスケールです。
年齢がとか、ピアノ歴がということではありませんが、そろそろハ長調くらい正しく弾いてほしい。
ハ長調のスケールが正しく弾けないとなると、この先、他の調のスケールが思いやられます。
ハ長調は全て白鍵ですので、好きなところで指をくぐらせたりしていても何とかなりますが、黒鍵が入ってくるとそうはいきません。
それに、曲の中でも順次進行のフレーズはたくさん出てきます。

手の大きさや指の長さ、柔軟性や俊敏性、人によって違いますから、もしかしたら自分なりの弾きやすい指づかいがあるかもしれません。
でも、今は楽譜に書かれた指番号を守って弾くこと。
自己流にするには、まだまだ早いです。
それに、指示されていることが出来た上で弾きやすいなどの理由があって自己流に変えるのと、全てを無視して最初から自己流で弾くのでは大違いです。
後者はただの無茶苦茶になりかねません。

指づかいが違うと言って、2回目を弾かせると、正しい指づかいで弾く生徒さん。
本当は弾けるのです。
気を付けるか気を付けないか、そこに集中して弾くかどうか、それだけの違い。
今はそれだけの違いですが、その違いがどんどん大きくなって、そのうちどうにもこうにも直せなくなります。
今は「本当は弾ける」ですが、いつか本当に弾けなくなってしまいます。

この生徒さん、スケールだけでなく、他の曲の指づかいも自己流で弾いてきます。
数年前までは、どの曲も指番号をきちんと守って弾いていました。
だんだん曲が難しくなるにつれて適当になり、今ではほとんど指番号なんて気にしていないと思います。

小さな頃の私は、指づかいが適当でした。
指番号が書いているのは知っていましたが、指番号なんて読まなくても守らなくても弾けると思っていて、実際この生徒さんのように何とかやり過ごしていました。
とりあえず音を読んで、そこにある弾けそうな指で鍵盤を押す!

曲が難しくなると、読まなくてはならない音符や記号が増えて、指番号は二の次になりがちです。
もし、指番号まで正しく読んで弾けるようにするだけの練習時間を取らずにレッスンに来たら、仕方なく音符だけを読みながら指番号を犠牲にして弾くことになるでしょう。
指番号だけ読んでも曲にはなりませんが、指番号を無視して音符だけ読んで弾けば、音が出て曲が進んでいきます。
それで何となく弾けた気になります。

指番号まで読み切れていない時も、スケールさえきちんと正しい指で弾けていれば、まだ咄嗟にマシな指づかいをすることができるかもしれません。

何かの為にしておく練習というのは、絶対に手を抜かない方が良いのです。

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