2022年11月25日

芸術の秋な一日

久しぶりに朝から夜まで何も予定のない一日。

元から一人で遊びに出かけるつもりで、何も予定を入れなかったのですが。
自分の時間をどう使うか、自分で決められるのはありがたいことです。

気になる展覧会がありました。
Ludwigと来たらvan Beethoven。


さすがにベートーヴェンは関係ないとして、ルートヴィヒと言われれば、何だか惹きつけられます。
京都国立近代美術館で『ルートヴィヒ美術館展』が開催されています。

京都へ出かけましょう。

美術館へ到着。
鉛筆で模写している方がいて、作品を見ながら片手に小さなノート、片手に鉛筆を持ちシャリシャリと音を立てています。
チラッと見えたノートには、素敵に写し取られた絵が描かれていました。

凄ーい!

その時に模写されていたのは、ジャン・コクトーの写真でした。

美術館で模写をするなんて単純にかっこいいし、気に入った作品を自分の手でスラスラと真似できるなんて、本当に羨ましいです。
勉強なのか、趣味なのか、どんな方なのかわからないけれど、私にはできない美術館の楽しみ方です。

観るのも良いけど、描ける方が絶対に楽しい。
描ける人の方が観る楽しみは絶対に大きいはずですし、描けない私よりも深い見方をされているはずです。

音楽だって、聴くのも良いけど演奏する方が断然楽しいはずです。
楽譜を読めれば聴こえ方は変わるし、演奏できればまた聴こえ方が変わります。
美術鑑賞でも、それと同じことが起きているはずです。

そんなことを思っていたらシェーンベルクに遭遇しました。
買ったのに弾いていない楽譜があります。
たぶんこの先も弾かないでしょう。
この人の頭の中は一体どうなっていたんだろう…
なかなかカッコ良い写真でした。

展示作品は知らない名前の画家も多く、写真も混ざっていましたし、前衛的な作品もたくさんあり、私の頭の中を満たすには難しい展示でした。


お昼ご飯は、「ホーフベッカライ エーデッガー タックス」という長い名前のパン屋さんで、メランジェ(カフェオレ)とチーズのサンドイッチ。


美味しかった!

デザートにケーキを1つ…と思いましたが、欲張った時に良いことは起こらない!と我慢。

お昼ご飯も無事に食べて、ロームシアター京都へ行き、チラシを漁りました。
プッチーニのオペラの展示があるとのことで、見に行ってみました。
展示スペースは一角でほんの少しだけでしたが、プッチーニのオペラ「トスカ」や「蝶々夫人」などのヒロインの衣装が展示されていました。
スピーカーからは壮大な歌声です。


ピアノの者にとってプッチーニは本当に関わりがなくて、頼まれたら伴奏を弾くくらいです。
調べたら、ピアノ曲もあるようです。
弾くことはあるのでしょうか。
プッチーニのピアノ曲よりも先に弾かなければいけない曲がたくさんあります…

アンケートを書いたら、ポストカードサイズの来年のカレンダーとスタンドをくださいました。
やったー!
思わぬお土産をゲットして喜ぶ私です…

その後は、京都市京セラ美術館へ。
京セラ美術館では、アンディ・ウォーホル・キョウト、サンリオ展、ボテロ展、と、3つも展覧会が開催されています。
どれも面白そうですが、さすがに全部は観られません…
1つだけ選ぶなら…
一番美術っぽいやつにしましょう。
ボテロ展を観ることにしました。


「私の人生は、描くためにある。」って、カッコいいなー

「私の人生は、弾くためにある。」
なんて、言ってみたい…

作品はどれも鮮やかで明るくて大きくて、とにかくわかりやすいです。
午前中のルートヴィヒ美術館展と比べれば、格段にシンプルに楽しめる絵画たち。
いつの間にか前向きな気持ちになれる展覧会でした。

わかりやすいですが、ボテロさんの美術に対する向き合い方や考え方は深くて、面白いです。
ボテロさんの描く物が膨らんだきっかけはマンドリンだそうです。
「楽器への関心はメロディや音色ではなく、物の形。」だそうで、ボテロさんは楽器を演奏されたりはしないのでしょうか。

何でもかんでも丸くなっているけれど、丸い物まで更に丸くなっているってどういうこと?


丸いだけで、膨らんでいるだけで何もかも幸せそうに見えるから不思議です。

図録を買わないつもりが、やっぱり面白くて買ってしまいました。
角がきちんと丸い図録です。


荷物が増えたので、一度車へ置きに行き、滞在出来るのはあと1時間というところ。
とりあえず、京都府図書館の利用者登録をしに行きました。
たまに、読みたいと思う本がこの図書館にはあったりして、近所の図書館で取り寄せてもらっています。
早速カードを作っていただき、本を探しに行きますが、本棚には借りて帰ろうと思う本はありませんでした。
それなりに遠いので、返すことも考えると、迂闊に借りるのは危険です。

最後に時間いっぱいまで、もう一粘り。
みやこめっせの地下、京都伝統産業ミュージアム MOCADギャラリーで行われている『テストピース』展を観に行ってみました。


小さな物がたくさん並んでいるのは、結構好きな光景で、手にとったチラシに惹かれてしまいました。

テストピースというのは、素地自体や釉薬の発色や質感を確かめるために試作した物だそうです。
気にも留めずに使っているどんな物も、誰かの研究の上に成り立っているっていうことです。

帰りにアンケートを書いたら、ガチャガチャを回させてくださいました。
カプセルの中から出てきたのは、白いテストピース。
「白」と言っても、たくさんの白があるのでしょうね。

さて、またまたお土産ができたのは嬉しいけれど、こちらは困りました。
これどうしたらいい?

小さくはない。
結構重い。

使い道は自分で見つけなければなりません。

美術館のはしご、芸術の秋を堪能した一日でした。
そして、自分の元気さに驚いてしまいました。

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