アーティゾン美術館で「パリ・オペラ座 響き合う芸術の殿堂」を観てきました。
この展覧会、チラシが凄くて、金ピカのタイトルで豪華!
チラシが届いた時から行きたかった展覧会です。
オペラ座展は午後に予約を取りましたので、午前のうちに、東京都美術館の「エゴン・シーレ展」を観てきました。
巡回がないとのことなので、観るなら今しかありません。
チラシの自画像が印象的です。
これはどういう感情なのでしょう。
エゴン・シーレって誰?状態で何の予習もせずに行った展覧会。
「ウィーン分離派」や「クンストシャウ」など、今まで観てきた展覧会で出会ったことのある言葉もあり、ちょっと賢くなっているかな?と嬉しくなります。
シーレと同時代の画家の作品が多く、クリムトの作品もありましたし、モーザー、ゲルストル、ココシュカなど、出会ったことがある画家の作品がたくさんありました。
ちなみに、ゲルストルはシェーンベルクの妻と不倫、ココシュカはマーラーの未亡人と恋愛関係になっています。
シーレの作品は、ちょっと見るのが辛くなってくるような、陰に引っ張られる作品でした。
シーレは人間(自分?)を見すぎて心を病んでいたのかな?なんて勝手な想像をしてしまいます。
28歳までにこんなに濃い作品を作っていたことに驚きです。
もしもっと長生きしていたら…と考えてしまいます。
お昼ご飯に美味しいお肉を食べて、アーティゾン美術館へ。
入口すぐに、チラシの表になっている作品が展示されていました。
写真の様に見えますが、凄く緻密に精巧に描かれている絵画作品です。
色味は少ないのに豪華で、とてもカッコいい作品。
私にとって、オペラは音楽の中では薄い方の存在です。
副科声楽のレッスンで少し歌った曲がありますが、あとはオペラの歌曲を歌う声楽家さんの伴奏をするくらいです。
展示は音楽に特化しているわけではないので、衣装画や舞台装置の下絵も多く、きちんと理解するには勉強不足で難しかったです。
学生の時に学んだオペラのことは、もちろん音楽としてのことで、作曲や曲に関することばかりでした。
今回の展示を見て思うのは、オペラには音楽以外の要素が想像以上に大きいということ。
よくよく考えれば、確かにまず箱(オペラができる場所)がなければいけませんし、それも簡単に建てられる物ではありません。
天井画や壁画はもちろん、柱一つとってもどれも美しいです。
舞台の構想はどれも豪華で、建物の中に作るとは思えない規模です。
フランスオペラでは、バレエも重要な要素です。
バレエに関する展示がたくさんありました。
衣装のデザイン画がたくさん展示されていましたが、デザインを画家がしていたのは知りませんでした。
文学も大切な要素。
台本や自筆原稿がありました。
ガストン・ルルーの『オペラ座の怪人』の自筆原稿、フランス語が読めたらな~と思ってしまいます。
そして、全て読みたくなるのは、楽譜。
リュリやラモー、グルックの美しい楽譜。
モーツァルトの楽譜は物凄い勢いで書かれていました。
ヴェルディの『ギョーム・テル(ウィリアム・テル)』はきちんと頭の中で音楽が再生されました。
勉強不足のことも、少しの音楽の知識が無駄に働いて何となくわかるような気がするので、解説を読みながら考えてしまいます。
単語レベルでは覚えていることを、何だったかな~頭の中の遠いところを探しに行きます。
音楽史で学んだことをもっときちんと覚えていたら、もう少し楽しく見れたかもしれません。
使わない知識は薄れていってしまいます。
オペラに関する学生時代の勉強が、ごっそり忘れられていることに気付かされました。
あのオペラの作品、もっと勉強していたら良かった…、題名しか知らない…、と思いながら、物凄く頭を使ってヘトヘトになりました。
午後4時、本当は、東京で観たい展覧会がもう一つあったのですが、オペラ座展で長く時間を取り過ぎて、残念ながら行けませんでした。
オペラ座展は展示数もそこそこありましたが、やっぱり考えながら観ていたので、相当な時間がかかっていました。
最近は、イタリアへ行きたい~!と思っていましたが、こういうのを見るとフランスへ行きたくなります。
いつか行ってみたい場所の一つです。