先日、アーティゾン美術館でパリ・オペラ座展のあと、収蔵品展を観てきました。
カイユボットの「ピアノを弾く若い男」。
この作品を観るのは2回目です。
演奏している男性は、とても上品で、指の形を見ると、しっかりと弾ける人のようです。
調べてみると、演奏しているのは、カイユボットの弟で音楽家のマルシャル。
パリのミロメニル通り、カイユボットの自宅だそうです。
奥の響板は角ばっていて、部屋の角にピッタリ。
鍵盤は低音の方が足りないように見えますし、床がまっすぐだとしたら響板の奥の方が上がっているように見えますし、何となく変な形に見えるピアノの描き方です。
鍵盤蓋のロゴがはっきりと見えないので、どこのピアノかわかりませんが、何となくエラールっぽい気がします。
この作品を初めて観たのは、2012年に開催された『ドビュッシー、音楽と美術―印象派と象徴派のあいだで』の時です。
ドビュッシーの生誕150年を記念した展覧会で、アーティゾン美術館が「ブリヂストン美術館」という名称の頃でした。
約10年。
私は、その間にたくさんのピアノを弾きました。
エラールのピアノにも出会って弾きました。
エラールを使った演奏会も聴きに行きました。
カイユボットのピアノがエラールかどうかはわかりませんが、10年前には見当もつかなかったことです。
10年間、きちんと私の知識量は増えているのかな?と思っています。