2023年5月6日

≪今週のレッスン Vol.281 5/6≫ 折り返し地点はどこ?

小学生の生徒さんが使う「子どものハノン」のような楽譜で出てくる音階は、2オクターブ上がって戻ってきます。


子どものハノンを一通りしたら、楽譜を全音楽譜出版社のハノンに変更します。
中身は同じですが、ハノンは1オクターブから2オクターブになり、音階は2オクターブから4オクターブになります。


さて、最近、子どものハノンから全音の楽譜に移行した生徒さんが数名います。


それが、不思議なことに何人も音階の折り返し地点を間違えて練習してきました。
3オクターブで戻ってきてしまったり、行き過ぎてから気づいて弾き直したり…
折り返し地点の鍵盤を確かめてから弾き始める生徒さんもいます。

私は、音階をどこで折り返すか気にしたことはありませんでした。
ですから、なぜそのような間違いが起こるのか不思議でなりませんでした。

むしろ、実は何オクターブ分弾いているかわかっていなかったりもします。
それでも間違えることはありません。

拍を取りながら弾いているからです。
4つずつ1拍で4オクターブで折り返してくると、丁度いい具合に最後の主音が小節の頭になって終わります。
小節の頭の音だけを取り出していくと、「ドレミファファミレド」になります。

オクターブ数を間違えて弾く生徒さんは、拍を取らずに弾いているということです。
ただ単にドレミ…を順番に弾いています。

音階を行き来するだけのものですので、拍子や小節がなくても別に良いような気もします。
そんな音階のような単純な音の羅列であっても、楽譜には必ず拍子と小節があります。
西洋音楽で拍子が書いていない楽譜なんてありませんし、拍子に則っていない曲もありません。
おそらく、西洋音楽にとって「拍」というものは、日本人が想像するよりもずっと重要なものなのでしょう。

ドレミファソラシを1小節にすれば、きれいに小節の頭が全てドになります。
16分の7拍子か、7連符か…
わかりやすいのかもしれませんが、割り切れる拍子がスタンダードになっている私にはとても弾きにくいです。

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