右手がメロディ、左手が伴奏の凄くわかりやすい曲。
ただ、左手の方が音が出ていて、メロディを掻き消してしまっています。
メロディに比べて伴奏の方が音数が多い場合や、伴奏が低音域の場合は、何も考えずに両手を同じように弾くと、どうしても左手の伴奏の方が大きくなりがちです。
メロディが単音なのに伴奏が三和音なら単純に1対3でメロディが圧倒的不利ですし、低音域はハンマーが大きく弦も太くて容易にボリュームのある音が出やすいためです。
生徒さんに、バランスを気にして弾こうねと言いました。
そしてもう一度弾いてもらいますが、あまりメロディが際立って聞こえません。
もうちょっと出して欲しいなーと伝えると、生徒さん「ちゃんと同じで弾いてるでー!」と。
なるほど。
バランスをとる=釣り合う=2つのパートの音量が同じ、だと思ったようです。
バランスを取るというのは、全てを均等にするということではありません。
出るべきところを出して控えるべきところを控えるということです。
最後まで美味しく食べられるご飯とカレーの量。
演劇なら、主役よりも脇役が目立ってはいけません。
音楽なら、伴奏の上にメロディーがきちんと聞こえるのが良いバランスの演奏です。
右手は出して左手は控える…
慣れていなければ難しいことですね。