レッスンを始めたばかりの生徒さんに使っているワークブックがあります。
音符を読んで色を塗ったり、音符と音名のカードを線で繋いだり。
五線の正しい場所に丸を書きましょうというページもあります。
ただ丸を書くのなら何てことないのかもしれませんが、決められた場所に決められた大きさで書くのはなかなか難しいものです。
「レ」は一番下の線にくっついていなければいけませんし、「ド」や「ミ」は丸の真ん中が線に突き刺さっていて上下の線に触れてはいけません。
丸は横長でも縦長でもダメで、きちんと閉じていなければいけません。
最初のうちは、音符の丸を書くのも苦戦しています。
無理やり閉じた丸もありますし、大きさも統一されていません。
それでも正しい位置には書こうとしてくれていて、頑張っていることがわかります。
生徒さんが書いてきてくれた中から、上手に書けた丸を選んで、花丸をつけます。
花丸がもらえると嬉しいようです。
一番上の線にくっついていなければいけない音符が少し離れてしまっている時は、くっついていると花丸に近づくねと言うと、次から無理矢理でもくっつけてきてくれるようになる生徒さん。
そのうち、私が宿題のページを見ていると、「これは?」と指をさしてくる生徒さん。
上手に書けている所には花丸が欲しいのです。
いつの間にか、ページ全部が花丸になります。
どれも丁寧に正しく書けるようになっているのです。
すると、ちょっと不満そうな生徒さん。
「全部上手だね」と言われるよりも、「これはすごく上手!」と言われる方が嬉しいみたいです。
だから、花丸の中の花丸を探しますが、もう既に全部良く書けているので難しい…
上手に書けたところに花丸を付けていくと、数ヶ月後にはページ全体が花丸になります。
花丸がもらえなかったところはどこに改善点があるのかをきちんと伝えると、どの生徒さんも良い方向に変わっていってくれるようです。
大人が思うよりも花丸の効果はずっとずっと大きいのです。
ワークブックの写真、撮らせてくれてありがとうね。