2023年6月17日

≪今週のレッスン Vol.287 6/17≫ 2人の丸の大きさ

練習している曲が良い感じで曲が仕上がってきた生徒さん。
「どんな感じで弾いた?どんな曲だと思う?」と聞いてみました。

「ここは楽しい感じで、真ん中のところはちょっと暗く…」と言って少し考える生徒さん。
「最初のところは…」悩んで言葉が見つからなかったのか「普通に弾いた」と。

「普通」というのは便利な言葉ですが、「普通」を共有していなければ何も伝わらない言葉でもあります。

同じ大きさの紙を生徒さんと私で一枚ずつ。
お互いに見ないようにして、この紙に「普通の大きさ」の丸を書きます。

せーの!で見せ合いました。


生徒さんは紙の上半分に丸、私はそれよりも大きな丸。
生徒さんと私の丸はこんなに違いました。

私は「紙に普通の大きさの丸を書いてね」としか言いませんでした。
生徒さんの普通と私の普通はこれくらい違うのです。
私の「普通」は生徒さんには伝わりませんでした。

どの言葉を使ってどう説明すれば伝わるのか。
相手に伝えることは大切なことですが、難しいことです。

この生徒さん、曲を弾いている時には音にきちんと表情がありますし、音楽も良く歌っています。
それぞれの場面の特徴をもっと際立たせるために、どんな感じか言葉で整理してみようと思って質問しました。
ただ弾くだけでなく演奏に裏付けがあれば、もっと説得力のある演奏ができるはずです。

指を動かすだけがピアノの演奏ではありません。
目、頭、耳、身体全体を使ってピアノを弾きましょう。
よくレッスンで言います。

そこに、言葉で伝える力がつくともっと良くなると思います。
何とか伝えようと考えて言葉をひねり出せるようになって欲しいです。

【まごいち音楽教室】
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