2023年6月24日

≪今週のレッスン Vol.288 6/24≫ 無茶ぶり?

小学生の生徒さんが弾いている、ギロックの曲。
一つの音符に、フェルマータ、スタッカート、テヌートの3つの記号が書かれています。


まずフェルマータは、音を程よく伸ばす記号。
伸ばすと言いますが、元々のイタリア語では停止するというような意味があり、音楽の拍の動きが良い感じで一旦停止するということです。
音を出したまま止まるので、音が伸びていることになります。

スタッカートは音と音との間を切り離す記号。
「音を短く切って弾く」のように解説されていることも多いですし、歯切れよく跳ねるように切りましょうと習うことも多いですが、切り離すだけなので、それがいつも飛び跳ねたように短いわけではありません。
どれくらい、どんな風に切るのかは指示されていませんので、自分で適切なスタッカートを持ってこなくてはなりません。

そして、テヌートは「音を保って」と解説されていることが多いです。
音を保つってどういうこと?
もう少し丁寧に言えば、音符の長さを十分に保って演奏することですが、四分音符なら四分音符の分の長さをとるのは当たり前です。
テヌートが付いている時は、意識して音符の長さの分をとる、それがわかるように弾くということです。

さて、この3つの記号、フェルマータは長く伸ばせ、スタッカートは短く切れ、テヌートで音の長さを守れ…

一緒にできんやん!こんなん無理やん!と困る生徒さん。
確かに一度に全てを同時にしようとすると、矛盾していて不可能です。

記号は音符の上下に書くのが普通です。
楽譜は基本的に時間軸なので、上下が重なっている所は同時に演奏します。
それならば、フェルマータ、スタッカート、テヌートも同時に起こるような気がします。
この3つの記号が同じ音符に作用しているだけと考えれば、何も全てを同時にしなくても良いのではないのでしょうか。

まず、テヌートでしっかりと音を聞かせて、その後、フェルマータで十分に響かせる、そして最後の切れ目はスタッカートのように軽く…

これならできますよね?

一生懸命に3つの指示を同時にしようと試行錯誤した生徒さん、素晴らしいです。

何故こんな書き方になっているの?と疑問を持って、それを考えてみる。
それが、楽譜を読むということです。
音符や記号を認識するだけでは、まだ楽譜を読み足りないのです。

生徒さんと一緒に考えながらどう弾くか決めました。
納得して弾けているようです。

そもそも、3つも記号を乗せたのですから、それだけその音を噛みしめて大切に弾いてほしいということですね。

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