2023年7月19日

着物でピアノ

美術館へ行くと、失礼だと思いつつ来場されている方を見てしまいます。

画家にフォーカスした展覧会では、ちょっと個性的な服装の若い人を見て、美大生かな?
髭が生えた恰幅の良い年配の男性を見ると、美術の先生?趣味の人?フラッと立ち寄っただけの人?

数か月前、パリ・オペラ座展に行った時は、この人は声楽家?
バレエダンサー?
美術?それとも舞台関係?

そんな私は、どんな風に見られているのでしょう…
誰も私のことなんて見ていないですよね…

私は、音楽系の人間なので、楽譜っぽいものがあれば何の曲か知りたくなってしまいますし、ピアノがあればどのメーカーのピアノか知りたくなってしまいます。

さて、先日、京都市京セラ美術館へ行った時のこと。
企画展を見た後、普段は常設展は見ずに帰ってしまうのですが、時間があったので常設展のチケットも買って入ってみました。

中村大三郎の「ピアノ」という作品。
1926年(大正15年)の作品です。


着物を着た女性が、グランドピアノを演奏しています。
作者の妻だそうです。
振袖で弾きにくくないのでしょうか。


ピアノは、チェコ製のペトロフ。
鍵盤蓋に「ANT. PETROF」と書かれています。
ペダルは2本。

楽譜も丁寧に書かれていて、読むことができます。
シューマンのピアノ曲が2曲。
左のページには「ロマンス」、右のページには「トロイメライ」です。


ロマンスの終わりには終止線がなく、調号の変化のみが書かれていますので、2曲続けて演奏するのでしょうか。
この2曲が綺麗に繋がるとは思えないのですが…

そういえば昔、おばあちゃんちのピアノのところにあった、全音ピアノピース。
同じように「ロマンス」と「トロイメライ」をセットにした楽譜でした。
ただ、曲順は逆で、左のページが「トロイメライ」です。
きちんと1曲ずつ終止線があります。



全音ピアノピースの5番。
昔から人気の曲なのですね。


現在、このピアノは、京都芸術センターにあって、コンサートでも使用されることもあるそうです。
音色を聴いてみたいな~
弾いてみたいな~

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