2023年7月22日

≪今週のレッスン Vol.292 7/22≫ 大変身

年中さんの男の子。
春に体験レッスンに来てくださり、レッスンを始めて数ヶ月が経ちました。

お母さまと一緒に来てくださった体験レッスンの時は、とても自由なお子様でした。
失礼ですが、私の体感では、年中さんよりももっと幼い印象を受けました。

できればレッスンを受ける段階でひらがなと数字は読めていて欲しいのですが、それも怪しそうです。
一体どうすべきか、これでピアノのレッスンを受けても良いのか?レッスンができるのか?と悩みました。
ピアノの曲が弾けるようになるのはまだまだ先、最初は鉛筆の練習や手先の運動です。
ピアノが弾けるようにと思って通ってくださるつもりなら、ご期待には沿えないと思います。
いずれ弾けるようにはなりますが、最初はピアノのレッスンとは言い難いことしかできません、と伝えました。

お母さまが、それでも良いです、ゆったりで良いです、とおっしゃってくださったので、レッスンを始めてみました。

レッスンが始まってからは、一人でレッスン室に入ってきてくれています。
それが、あの体験レッスンは何だったのかというくらい、しっかりレッスンを受ける生徒さん。

椅子に座ろうと言うときちんと座り、ピアノへ移動しようというと、すんなり移動してくれます。
丸の中を赤色で塗るワークブック、色鉛筆をグーで掴んで使っていたので、鉛筆の持ち方を伝えると、そのようにやってみてくれました。
次のレッスンで持ち方を忘れてしまったのか、またグーで持っているので摘まむように持ってみようと伝えると、きちんと思い出してくれました。
最初は丸を大きくはみ出していたのが、だんだんはみ出さなくなってきて、塗れていないところを埋めることもできるようになりました。

やってみてもらうと、何でもできるようになっていく生徒さん。
あの体験レッスンは何だったの…
お母さまには存分に甘えているのでしょうが、これほど変わるものかとビックリ。

ひらがなを全く読めなかった生徒さん。
せめてピアノのレッスンで出てくる「どれみ」だけでも覚えてもらおうと、「ど」を教えてみました。
すると、すぐに「ど」が読めるようになりました。
「ど」しか読めないので、「ど」が「と」に濁点で成り立っていることは知りません。

楽譜のド、鍵盤のド、どちらもすぐ覚えてくれました。
ドだけのリズム弾き、私と一緒にドを弾く、どれもきちんとできます。

私がメロディと伴奏を弾き、生徒さんはひたすらドを弾きます。
何度か聞くと曲を覚えてくれるのか、曲の弾き終わり合わせにきてくれます。
曲の途中は、自由に何度もドを弾いたり、コントロール不能になっていますが、曲が終わりそうになると、少しこちらを見ながら加減して合わせてくれます。
それが嬉しくて、可愛いです。

数ヶ月経ち、少し慣れてきた様子ですが、相変わらずレッスンは落ち着いて受けてくれていて、私が目を離しても自由に何かをすることはなくなりました。
「ちょっと、楽譜を1冊取って来るから、このページの色塗りをしておいてね」と伝えて離れると、一人で色を使い分けて塗っています。

「ど」に続けて「れ」も読んで弾けるようになりました。
ここまできたら、他の年中さんのレッスンとほとんど変わりなくなってきます。

ただ、多くの生徒さんはお家で習得してくれている数字やひらがなをレッスンで教えなければならない分、他の生徒さんよりは進みが遅くなります。
それくらいの差です。

レッスンの終わり、お母さまが部屋の中に入って来られると、途端に背骨を失ったように、ふにゃふにゃになって制御がきかなくなる生徒さん。
体験レッスンの時と同じように、椅子に座ってじっとすることもできず、ピアノを好き勝手に叩き始めます。
甘えることなく、ひとりで頑張っていてくれるということでしょうが、その状況なので、最後のお片付けだけは未だに成功していません。

この生徒さんだけでなく、お母さんの前では真面目にやっている姿を見られたくないのか、お母さんが入ってくるとわざとふざける子がいます。
ほとんどが、元気で調子の良い男の子な気がします。
お母さまは謝ってくださるのですが、レッスンは全く支障なく、謝っていただくことなんて一つもありません。
きちんと受けてくれていますので、ご安心ください。

むしろ、そういう生徒さんはよくお話をしてくれて、これは何?とか、何でなん?とか、質問をたくさんしてくれます。
それだけ、いろいろなことに気付いているということですし、いっぱい考えながらレッスンを受けているということです。
説明すると興味深そうに聞いてくれるので、私も楽しくレッスンをさせてもらっています。

教えたことが着実にできるようになっていく生徒さん。
今では、体験レッスンでの心配は何だったのかという感じです。

右手、左手も覚えてくれました。
次のレッスンでは、右手でドレミファソを弾いてみようと思います。

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