音色も美しいし、ぶれない演奏。
もう完璧。
物凄く楽譜を読み込んで研究されているのでしょう。
楽譜を見ているようでした。
自分が弾いたことがある曲のプログラムだと、凄く勉強になります。
繰り返しや2回目のフレーズで絶対に同じことをしない。
必ず新しい響きや旋律を聞かせてくださいます。
今まで気が付かなかった音がたくさん。
こんなところに凄く良い流れがあったのか…
凄く丁寧な音、一音一音を大切に作っていらっしゃいます。
聴く方も神経を研ぎ澄まされてしまいます。
強い音は若い男性らしく力ある音で、特にベートーヴェンのソナタ28番の終わりは、本当に迫力があって凄かったです。
ショパンのスケルツォは、若々しくて、そしてエネルギッシュな演奏でした。
何だかベートーヴェンよりも楽しく弾いていらっしゃるような…
ご本人のこう弾きたいという思いが見えて、聞いていて楽しいのです。
ちょっと速い！
その速さで弾けるテクニックと表現力も凄いですし、楽しそう。
整ったベートーヴェンも好きでしたが、エネルギーに溢れたショパンも良い演奏でした。
10年後、20年後にはどうなっていらっしゃるのだろう。
少し落ち着いた頃のスケルツォもきっと素敵に弾かれるのでしょう。
久しぶりに全力で好きな演奏を聴きました。
そして、あまりに完璧過ぎて、練習意欲を失ってしまうくらいでした。
アンコールは、シューマン「ピアノソナタ第1番 第2楽章」と「トロイメライ」の2曲でした。
