兄弟で一緒に来てくれているレッスン。
お兄ちゃんは入ってきましたが、弟くんが入ってこない…
車で送ってもらって教室の前まで来たのに、レッスンを休みたいと言って車から降りない弟くん。
聞けば、レッスンの宿題ができていないとのこと、学校の宿題もできていないから帰りたいとのこと。
近くない所から通ってくださっている生徒さん、せっかく来てくれたのに…
車へ向かい説得しますが、身体をくねくねとさせて少々駄々をこねているような様子で、降りてきてくれません。
とりあえずここまで来てくれたんだし、教室に入ってほしいのですが。
生徒さんと約束しました。
レッスンの宿題については、できていないことをレッスン前に聞いたので、それに関しては何も言いません。
ワークブックは来週に持ち越し、ピアノも弾きたくなければ弾かなくていいです。
とにかく、お兄ちゃんのレッスンは聞いて帰りましょう。
自分のタイミングで教室に入っておいでね。
それだけ言って、私は教室へ戻りました。
お兄ちゃんのレッスンをしていると、扉が開き、ニコニコと入ってきてくれました。
ご機嫌は悪くなさそうです。
お兄ちゃんのレッスン中、ワークブックは引き続き宿題だから待ち時間にする？と聞いてみましたが、やらない、と…
その日はコインチャレンジ。
お兄ちゃんがコインチャレンジをしているのを見て、弟くんが「あ、コインチャレンジか…」と言いました。
「コインチャレンジ受ける？弾かなくて良いと約束したから、私から弾いたら？とは言わないけれど、弾いてくれるなら聞くよー」
コインチャレンジの用紙も未記入でした。
もし、コインチャレンジで弾くのなら、お兄ちゃんのレッスンのうちに何か書いておきましょう。
すると、筆箱を取り出し、何か書いています。
お兄ちゃんのレッスンが終わる頃、ピアノの隣に立ち「まだ終わらんの？」と言ってくる弟くん。
手にはコインチャレンジの用紙とレッスンで使う楽譜を全て持っています。
あれだけレッスンを受けたくないと言っていたのに、その様子は普通にレッスンを受ける人です。
お兄ちゃんのレッスンが終わり、弟くんの番。
コインチャレンジ、とても上手に弾き、コインを2枚貰いました。
さて、後はどうしましょう。
私から弾いたら？とは言わない約束をしています。
すると「次はこれ」と言って、楽譜を開いて弾き始めました。
上手です。
絶対に練習してきてるよね？
「これとこれを弾くわー。これはやめとく」と言って、カデンツ以外は弾くと言います。
いつものレッスンなら弾く順番をある程度決めているのですが、弾きたい順番に弾いてもらいました。
全て弾いたあと、「やっぱこれも弾いとくわ」と言って、カデンツも弾きました。
結局、宿題だった分を全て弾いて、全て合格になり、新しい宿題をもらってレッスンを終えました。
気分の乗らない日だってあります。
始めてしまえば何てことないのに、取り掛かるのが億劫なこともあります。
なんだかんだありましたが、結局いつものように楽しいレッスンの時間を過ごさせてもらいました。
教室に入るという一歩を踏み出してくれた生徒さんのおかげです。
ありがとうね。
