小学生の生徒さんが使う「子どものハノン」。
割と力強くハッキリとした音で弾く生徒さん。
音の粒を揃えましょう。
どの音も、長さ、強さ、音色を同じにする必要があります。
5本の指で弱い指がある?と聞くと、「4の指(薬指)」と。
強い指がある?と聞くと、「2と3の指(人差し指、中指)」と、生徒さん。
指は1本ずつ力が違うので、調整せず使うとに出てくる音が変わってしまいます。
ショパンは、指の力の強さによって違う音色を出せることをプラスに考えていました。
全てを均一に揃えるのではなく、それを活かすように作曲しています。
ですが、だからといって全ての曲が指の特性を活かした作りになっているわけではありませんし、指を育てなくてもよいということにもならないと思います。
きちんと音の粒を揃えて弾くこともできるけれど、敢えて指本来の力から出てくる音色を活かした演奏をする…、それができれば一番です。
良く聴いて、揃えてね。
もう一度弾いてみましょう。
すると、生徒さんのハノンが何だか柔らかくなりました。
なるほど、弱い指の方に合わせにいったのですね。
優しい生徒さん。
「音の粒を揃えましょう」なので、それも正解。
本来は指を鍛えることが目的のハノン、弱い指でも芯のある太い音を出せるようにする練習です。
強い方に合わせる方向で練習することが多いですが、強い指で弱い音を綺麗に出すのもなかなかの技術が必要です。
すぐに柔らかい音で統一した生徒さん、凄いと思います。
これからたくさん弾いて、指も耳も育てていってほしいと思います。