ピアノのレッスンで扱う曲の中には、この曲ではこれを習得して欲しいという狙いがある曲があります。
リズムよく弾くことが目的の曲、表現を大切にする曲…
きちんと完成させたいという曲もありますが、そうでない曲は目的が達成されていれば、ある程度の仕上がりで合格にすることがあります。
ひとつの曲をじっくり仕上げることも大切ですが、どんどん曲を弾いてレベルアップしていくことも大切。
同じようなことを学べる機会は、他の曲でいくらでもあります。
この生徒さんならこれくらい弾けていたら次の曲へ行っても良いかな?どうしようかな?と悩むことがあります。
そんな時は、生徒さんに聞いてみます。
「この曲、好き?」と聞いてみて嫌いと言われれば、終了です。
好きと言われれば、もう少し練習しても良いかもしれません。
「どうする?マルをして次に行く?もう一回宿題にしてきちんと仕上げる?」
あまり楽しくないと思っていたり、生徒さん自身がもう十分に弾けていると思っている時は、「今日で終わる」と答えてくれます。
生徒さん自身でも思う所がある時は、もう一回練習してくると答えてくれたり。
楽しくない曲の練習を長くする必要はないと思いますし、どうしても嫌いな曲なら飛ばしても良いと思います。
やりかけたからには、きちんと仕上げてから次に進みたいと思う生徒さんもいるでしょう。
単純に同じ曲なら練習が少し楽だと思う生徒さんもいるかもしれません。
そういう時期もあるでしょう。
それはそれで良いと思います。
ピアノを弾いているのは生徒さん。
どの曲をどれだけ練習するか、レッスンですので全てを生徒さんに決めていただくわけにはいきませんが、生徒さん自身にも決める権利があると思います。
ピアノは計算問題のように、マルとバツがはっきりしているわけではありません。
完璧な演奏というのはどこにもありません。
曲が難しくなればなるほど、どこかを妥協することでしか曲の練習を終わらせる方法はないのかもしれません。
レッスンで見てもらっている曲は合格を貰って次に進むという流れで良いでしょうが、何でも誰かに合格を貰わなければ次の曲に進めないのでは困ってしまいます。
これでOK、ここまで弾いたらOKかな?と、自分で自分の演奏を見極めるのも大切な力ですね。