小学生の男の子。
レッスン室へ入ってくるなり楽譜を開いて聞いてきます。
「先生、この音ってミで合ってる?」
何か音が変だと言うのです。
2小節目、左手のミに右手はレ♯。
濁ります。
左手はドミソの第1展開形のバスの音。
右手はメロディの骨格のミの刺繍音のレ♯です。
ですから、どちらのパートもドミソの中にいるのですが、ここだけを取り出して聞けば確かに濁ります。
この濁りを聞き取って違和感を感じた生徒さんは素晴らしいです。
何度音を読んでも間違えていないし、何度弾いてもおかしい気がする…とのこと。
子どもさん用の曲や易しくアレンジされた曲の場合、極限まで音を減らした結果、和声がわかりづらくなってしまっていることがあります。
メロディだけ生徒さんに弾いてもらい、私がもう一台のピアノで音を増やした豪華版の伴奏を弾きました。
これでも変?と聞くと、大丈夫だったと。
この曲のような場合、楽譜に書かれていない音の響きを頭の中で補完しなければいけません。
ドミソの上に流れの中でレ♯を弾けば大丈夫なのですが、そこだけに注目してしまうと違和感のある音に聞こえてしまいます。
この曲は弾きにくい曲だと思います。
休符だらけのメロディ。
休符込みで長いフレーズ感を作るのは凄く難しいです。
伴奏とメロディの音域も離れているので、バランスを取るのも難しいです。
良く弾けました。
合格!