パリ最終日。
ずっと遠目に見ていたモンマルトルのサクレ・クール寺院(Basilique du Sacré-Cœur de Montmartre)へ。
メトロのAbbesses駅。
螺旋状の階段を登ります。
登る
登る
まだ登る…
これほんまに地上に出られるんか?
地上に出てからもひたすら上り坂です。
しんどい…
丘の上から見るパリはぎっしりと建物で詰まっています。
寺院の中へは無料で入れます。
教会ではミサが行われていて、劇風の音楽が進んでいました。
芸術の音楽ではなく生活の中の音楽、行われているのは宗教行事です。
キリスト教徒でない私にはわかりませんでしたが、途中、何かのタイミングで全員が起立しました。
私は観光客。
私は祈りに来たわけじゃありません。
サクレ・クール寺院は観光地だと思っていました。
ですが、ここは普通に教会で、現地の人たちの祈る場所。
その人たちの生活の一部です。
お邪魔して申し訳ない…
寺院の中をぐるりと一周しているうちにミサはクライマックス。
最後のオルガンが天に昇っていくようで、それは遠ざかるのではなくて光が増して何かが開かれるような音楽で、鳥肌が立つほどの素晴らしさでした。
全然わからない私にも、神の光が見えるような音楽。
音楽!演奏!ピアノ!と、どれだけ突き詰めて練習しても私の日常の中に教会の音楽はありませんし、この響きも空気感もありません。
でも、曲を作っていた人たちはこういう生活の中でこういう音楽を浴びながらその曲を作ったのです。
パリの旅行の最後にこういう音や空気を浴びられたのは嬉しいことです。
先生から外国へ行けと散々言われてきて、旅行から帰ってきてからも、ね?また行きたいでしょ?住みたいでしょ?って。
ヨーロッパの感覚が入っていない私の演奏は、先生には違和感があるのでしょう。
サクレ・クール寺院の外には、ギターを弾いている人、歌っている人、ヴァイオリンを弾いている人…
楽譜が手書きだったので、自作の曲だったのでしょうか。
最後に、モンマルトルの丘を下ったところにあるロマン主義博物館(Musée de la Vie Romantique)へ行きました。
サクレ・クール寺院のあと、まだ時間があるならと最後に滑り込んだ博物館。
凄く素敵な博物館なのに無料で入れます。
支援金ボックスと思われる物があったので少し入れてきました。
ロマン主義博物館は、もともとは画家アリ・シェフェールのアトリエ兼自宅。
交流があったのは、ヴィクトル・ユゴー、ドラクロワ、ジョルジュ・サンド…
音楽家だと、ショパン、リスト、ロッシーニ…
凄い名前ばかりです。
文化人と呼ばれる人たちが、ここで議論を交わしていたのでしょう。
調度品がどれも洗練されていて美しいです。
楽器や楽譜もありました。
この旅行、お連れ様は美術館にも教会にもショパンにも全く興味なく、ただただ退屈そうでした。
この人はパリに来て楽しかったのかな?
こうなるとパリに誘って、いろいろと連れまわしたのが申し訳ない気がしてきました…
日本へ帰りましょう。