バイエル、ツェルニーなどの練習曲には、題名が付いていません。
それぞれの曲に通し番号の数字が書かれていることが多いです。
きちんと楽譜通りに弾いている生徒さん。
間違いはないけれど、歌って弾くとか表現する、ということなく、淡々と弾いています。
「この曲に題名を付けてみよう」と提案しました。
次のレッスンで、生徒さんは題名を考えてきてくれました。
その題名に合うように弾いてみます。
とても素直な生徒さん。
自分で付けた題名の効果で、音色は柔らかくなり、自然な強弱が付きました。
もともと題名がない曲ですので、それに正解も不正解もありませんが、表現の手掛かりにはなります。
題名がないから無機質に弾く、ということではなく、やはりその曲の音の動きから感じることを表現するのが音楽だと思います。
音を読むのがはやかったり、指がよく動いたりすることも大切なことですが、曲からどれくらいのことを感じ取れるかということも、上達する上で大きな要素だと思います。